素晴らしいセラピストさんでした。

温かなユーモアと愛情に溢れ、
誰に対しても分け隔てなく接します。
いつも細かなところまで気を配られ、
それと同時に相手の気持ちを尊重しながら
自然に心を開かせてくれる
術のようなものも心得ておられました。

彼女とあなたとの個人的な記憶は知らないけれど、
それはまあどうでもいい。
いずれにせよ、
そこにはひとつの目に浮かぶ物語があるし、
そういうものは確実に深く人の心に残ります。
どれほど技術的にうまいものであっても、
そこに物語がなければ血肉がなければ、
人の心を打たないのでございます。

結局のところ時は流れ、
すべての美しい心持ちもいずれ、
灰が崩れるように消えて、無と化していく。
我々はその明白な事実を
ただ受け入れていくしかないのでございます。

けれどある場合には。。ある特別な場合には、
それは空気の振動となって残り、
形をべつのものに変えて
どこかに受け継がれていくのかもしれません。
ふとこんな風に考えてしまいます。
たぶんそれが物語という力なんだろうと思います。

セラピストの鑑のような人でした。
有難うございました。
本当にお疲れさまでした。
2020.07.25